あらすじ
戦国の乱世。山名家と一戦を交え、敗れ去った秋月家の侍大将・真壁六郎太は、世継ぎの雪姫と数名の残党と共に隠し砦にこもった。秋月家再興のため、同盟国である早川領への脱出を計画する。それには敵地を通って早川領へ抜けるほかに道はなく…。
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三人の出会い
互いに罵り合いながら力無く広野を歩く百姓の太平(千秋実)と又七(藤原釜足)は、立身出世のために山名と秋月の戦へ参加しようとするも失敗し、喧嘩別れののちそれぞれ別の場所で山名方の捕虜となります。
多くの捕虜たちと同様に落城した秋月で軍用金二百貫探しをさせられていた二人は、ある夜捕虜たちの反乱に乗じて山中へと脱走。
そのさなか、二人は薪の中から秋月の紋が入った金の延棒を偶然見つけて色めき立ちますが、頑強そうな男(三船敏郎)に遭遇し金の存在を悟られないようにします。
二人は安全な早川領まで敵中突破する話ではぐらかしますが、既に男には知られていてこれから三人で金塊を見つけ早川領へ運ぶ話を持ちかけられました。
山中の隠し砦
男は二人を山中の隠し砦へ引き連れて真壁六郎太と名乗りましたが、秋月の侍大将と同じ名だったため百姓二人は信じません。
そして砦で女(上原美佐)と出会いますが、六郎太は自分の女だから手を出すなと二人に警告します。
女の正体は逃亡中の秋月の世継ぎ・雪姫でした。
その女が落とした櫛から雪姫だと勘付き、又七は雪姫発見の恩賞金欲しさに町へ向かっていたが、姫は既に打ち首となっていたと戻り話します。
これを聞いた六郎太は雪姫と侍女が身を潜める洞窟で、妹の小冬が姫の身代わりになったと伝え、すぐに早川領へ向かうべきと進言。
しかし、小冬と同い年の雪姫は命の平等を説き、妹が生贄となっても涙ひとつ流さない六郎太を非難します。
同様に涙を流さず気性の激しい雪姫を嘆く侍女と、秋月家再興の礎と生贄になっている雪姫の心中を察する六郎太。
雪姫は広野を見下ろしながら佇み、人知れず涙を流すのでした。
早川領へ出立
六郎太は早川領を目指す道中、百姓二人にも姫の正体を隠すため雪姫には唖(おし)として同行してもらう案を考えつきます。
そして、薪に偽装した金を馬と自分たちの背に積み込み、砦に残った他の家臣たちに陰ながら見送られ、一行は早川領へと旅立ちました。
六郎太のいない隙をついた太平と又七の欲深く軽率な行動のせいで山名方の警備がより厳重に。
さらには隠し砦が攻め落とされたと分かり、ある策を思いついた六郎太は関所へ向かうことを決めます。
関所の役人に偶然見つけたと黄金入りの薪を1本差し出し、その褒美をよこせと騒ぎたて追い出される様に無事関所を通過するのでした。
町へ着いた一行が宿で一晩過ごそうとするなか、雪姫は人買いから粗末な扱いを受ける秋月の百姓娘を目撃し、六郎太に買い戻させます。
百姓娘は恩義から薪運びを手伝いつつ、一行の後を着いてくるのでした。
道中、追手を殲滅するべく馬で追いかける六郎太は、山名の番所まで乗り込んでしまい、田所兵衛(藤田進)と出会います。
決着を付けたい二人は槍での果たし合いを始め、激戦ののち六郎太が勝利。
田所は自分の首を差し出しますが、六郎太はまた会おうと言って、雪姫たちの元へ向かうのでした。
絶体絶命
町民の世間話から雪姫たちの正体を知った百姓娘は、六郎太のいないあいだ太平や又七から雪姫を守るよう努めていました。
火祭りの準備で薪を運ぶ行列を目にした一行は、そこに紛れ込んで逃げようとします。
そして、祭場で火に薪をくべるのを躊躇う太平と又七を見て監視の山名兵は怪しみますが、六郎太が薪を火の中に放り込み皆に踊れとせっついてその場をやり過ごすと、雪姫は楽しく踊り、太平と又七はヤケになって踊るのでした。
翌朝、薪を燃やした灰の中から溶けた金を拾い上げて、再び早川領へと向かう一行でしたが、とうとう追い詰められてしまいます。
太平と又七は雪姫から別れの声をかけられるが、誰の声とも分からぬままなんとか逃げ出し、負傷した百姓娘を抱えながら逃げる六郎太と雪姫は早川領を目前にしながらも山名兵に捕まってしまいました。
器量
関所で拘束されている三人のところへ首実検のため田所が現れます。
六郎太との果たし合いでかけられた情けが主君の怒りに触れ、激しく罵られながら顔を打たれて傷を負ったと六郎太を責め立てる田所。
それを聞いた雪姫は田所と主君を厳しく叱責します。
そして雪姫は百姓娘と六郎太へ感謝の言葉を述べ、この旅で得たもの楽しかったことを話し、潔く死ぬ覚悟を口にしました。
翌日、雪姫の叱責や器量に心打たれた田所は裏切りを決意。
黄金を乗せた馬を逃し、三人を救い出すと自身も後を追って早川領へと向かうのでした。
それぞれの黄金
無事早川領へと逃げ延びていた太平と又七は、途方に暮れながらも互いに仲良く生きていこうと共に村を目指しました。
すると、黄金を乗せた馬が偶然通りがかり、大喜びで馬を捕まえて金の取り合いを始めてしまいます。
喧嘩の最中に早川方の兵たちが現れ、怪しまれた二人は捕まり牢へ入れられてしまいました。
その後、雪姫と六郎太、田所のいる城へ連行された太平と又七は、そこでようやく雪姫と六郎太の素性を知り驚きを隠せませんでした。
唖然とする二人に六郎太が労いの言葉を掛け、軍用金は秋月家再興に必要なため大判一枚で許してほしいと言います。
雪姫は二人へ喧嘩せず仲良くわけるように諭すと、二人はいままでのように争わず互いに大判を譲り合いながら笑顔で城を後にしたのでした。
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