用心棒/1961/Yojimbo

32

あらすじ

2人の親分が対立する宿場町に、浪人者が現れた。一方の親分・清兵衛に自分を用心棒として雇うよう持ちかけ、敵方・丑寅の子分を瞬時に切り捨ててみせる。だが、清兵衛の謀略を知った浪人は用心棒を辞退。そんな折、丑寅の弟が短銃を携えて帰ってくる。

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さすらいの浪人

あてもなくさすらう浪人(三船敏郎)が目にしたものは、ヤクザの抗争に加わるために宿場町へ行こうとする息子とそれを咎める父親との喧嘩でした。
そしてその父親から宿場町の現状を聞いた浪人もその場所へと足をむけます。
宿場町のめし屋・権爺(東野英治郎)によると、絹問屋の多左衛門(藤原釜足)が肩入れする清兵衛(河津清三郎)は跡目を息子の与一郎(太刀川寛)へ譲ろうとし、これに反発した清兵衛の一番の子分・丑寅(山茶花究)は造酒屋の徳右衛門(志村喬)を引き入れて抗争が激化しているということでした。
話を聞いた浪人は抗争を終わらせるため、権爺の忠告も聞かず一計を案じて丑寅の子分3人を斬り殺すと、実力を知った清兵衛一家から用心棒として雇われ、名を桑畑三十郎と名乗りました。
そして、すぐさま殴り込もうとする清兵衛と金を惜しむ女房のおりん(山田五十鈴)は騒動決着後に三十郎を始末しようと画策。
これを盗み聞いた三十郎は、両一家総出の決戦の場で清兵衛と手を切り、両一家を潰し合わせるように仕向けました。
しかしそこへ八州廻りが来る知らせが入ると決戦は中止となり、三十郎の企みは外れてしまいます。

手打ちか抗争か

休戦状態のなか、離れた宿場町で町役人が殺され八州廻りが出ていくことになります。
抗争がまた始まると思われましたが、旅から帰った丑寅の三男・卯之助(仲代達矢)による手打ち話を知り悩む三十郎。
しかし、丑寅のならず者が町役人殺害の下手人と知った三十郎は、ならず者を捕らえ清兵衛に売り、丑寅にはならず者が清兵衛に捕らえられたと嘘を告げて、再び抗争を始めさせようと企みます。
事態を知った卯之助と亥之吉(加東大介)は与一郎を連れ去り人質の交換となりますが、優位に立とうとする卯之助が下手人を射殺。
ところが、これを見抜いていた清兵衛が徳右衛門の妾・ぬい(司葉子)を人質にしていたため、再び人質交換となりました。
人質交換の場に、権爺はひと目ぬいの姿を見せてあげようと、めし屋にぬいの夫と子供を呼びます。
ぬい一家が泣き叫びながら抗いますが、抵抗むなしく交換は成立しました。

抗争の激化

権爺から、ぬいが夫の借金のカタに妾にされていることを聞いた三十郎は、夫の情けなさに腹を立てながらも丑寅の用心棒となることでぬい一家を助けようとします。
三十郎は亥之吉を利用して、ぬいが監禁されている家を急襲すると、見張りを全員斬り殺して救出し親子三人揃って逃がしました。
その後、現場に駆けつけ三十郎から話しを聞いた丑寅たちは、清兵衛の仕業と思い込み多左衛門の蔵に火を放つと、その報復として清兵衛たちは徳右衛門の酒蔵を襲撃。
そうして激化した抗争で町は死体で溢れ家屋は焼け落ちて荒廃し、地獄絵図のような光景が広がっていました。

三十郎危機一髪

そんななか、めし屋で酒を呑む三十郎といつもより愛想の良い権爺。
権爺は、ぬいの家族がめし屋を訪れて事の顛末を伝え、感謝の手紙を持ってきたと、ご機嫌に話しました。
そこへ卯之助と亥之吉が突如訪れ、ぬい一家に関して三十郎への疑惑を口にするとその感謝の手紙が卯之助に見つかり、三十郎は監禁され拷問を受けます。
ぬいの居場所を吐かせようと激しい拷問を受けていた三十郎でしたが、見張りの隙をついて辛うじて脱出しめし屋へと逃げ込みました。
そして、三十郎を追ってめし屋へ来た丑寅一家は、清兵衛のところへ行ったという権爺の嘘を信じ込み、ただちに清兵衛一家を襲撃して皆殺しにしてしまいます。
一方で三十郎は、権爺の手助けで墓地の外れにある念仏堂へ身を隠すことにしました。
権爺の世話を受け程なくして傷の癒えた三十郎は、権爺が丑寅一家に捕まったと棺桶屋から知らされます。
激怒する三十郎は、権爺から渡されていた包丁と棺桶屋からの刀を携えて町へと戻りました。

三十郎と丑寅一家の決闘

三十郎が町へ着き迎え撃つ丑寅一家と対峙するなか、棺桶屋が隙をついて権爺を救出。
そして、先陣を切る卯之助の右腕に包丁を投げつけ拳銃を封じた三十郎は、すかさず卯之助を斬り倒し、間髪を入れずに残りの丑寅一家も一人を除いて次々と斬り殺します。
唯一見逃された子分は、郊外で目にした親子喧嘩をしている若者だったのです。
まだ息のあった卯之助は、今際の際に三十郎を拳銃で騙し討ちしようとするも、引き金は引けずあえなく力尽きます。
決闘が終わるやいなや、気が触れた多左衛門が太鼓を叩きながら徘徊し、屋敷に隠れていた徳右衛門を殺害して姿を消しました。
平穏を取り戻したと言う三十郎は、救出された権爺の縄を切り解き、別れを告げて何処へと去っていきました。

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